Utsunomiya City

親子で成長できるまち、宇都宮で
みんなで子どもを育てる
“Co-SODATE”を楽しんでいます。
【Vol.01】

お話をお聞きしたのは、約10年前に宇都宮市へ移住した伊藤由利子さん。現在は会社員として働きながら、市内でふたりのお子さんを育てています。

就職を機に宇都宮に移住
独身時代は週末の小旅行を満喫

子どもたちが小さいころ、公園を訪れた伊藤さん一家。虫を捕まえたり、園内の水辺で遊んだりと、休日には自然とふれあいながら過ごすことが多いといいます。

伊藤さんは神奈川県生まれ、秋田県育ち。高校卒業後、進学のため秋田県を離れ、埼玉県・神奈川県でひとり暮らしをしていました。宇都宮市に移住したのは10年ほど前。栃木県上三川町にある会社に就職したことがきっかけでした。

「市内に知り合いもいませんでしたし、就職を含めてはじめてのことばかりで、不安はありました。でも、大きいまちなのに優しい雰囲気を感じられるところが秋田とどこか似ていて、暮らしやすそうなまちだなとも思いました」

そんな伊藤さんが一番不安だったのは車の運転。

「免許は持っていましたが、学生時代は電車移動の生活だからペーパードライバー。自分で運転する生活なんて想像できませんでした。でも慣れてしまえば、本当に便利。移動手段が増えて、生活しやすくなりました」

買い物など日々の暮らしが楽になったのはもちろん、週末に出かける機会も増えたといいます。

「栃木県には日光、那須をはじめ観光地がたくさんあって、宇都宮市からアクセスしやすいんですよね。ひとり暮らしをしていたときには、学生時代の友達を招いて、よく一緒に小旅行に出かけていました」

宇都宮市では車だけでなく、電車やバスなどの公共交通を利用した移動も便利。東京へは、新幹線を利用すれば最短48分で到着します。羽田・成田の両方に直行バスが出ており、空港へのアクセスがよいのも魅力です。

そうして宇都宮暮らしをはじめて3年後、伊藤さんは結婚。翌年には長女、その3年後には長男が誕生しました。

「夫は埼玉県出身で、栃木県芳賀町にある会社で働いています。宇都宮市はふたりの職場の中間にあたる場所でしたし、そのまま市内で新生活をはじめました」

JR宇都宮駅東口の交流広場「宮みらいライトヒル」にて。「宇都宮市には、公園も商業施設もたくさんあって、子どもとのおでかけや食事に困ることはありません」。

宇都宮での子育ては
都会の便利さと自然の豊かさが共存

市中心部にある「八幡山公園」。園内にある「宇都宮タワー」からは市内を一望できます。

伊藤さんが元気いっぱいの子どもふたりを連れてよく出かけるのは公園。宇都宮市内には、なんと1000カ所以上もの公園があります。

「一番のお気に入りは『八幡山公園』。長いすべり台やゴーカートがあって、ツルやウサギなどの動物もいます。春には桜がきれいなんですよ。公園のほかには、『宇都宮動物園』がおすすめ。動物との距離が近くて、キリンやゾウにえさをあげることもできます」

こうした屋外の遊び場に加え、宇都宮市での子育てで心強いのは、雨の日の遊び場にも困らないことだといいます。

「宇都宮市には、子どもと一緒に楽しめる商業施設やレジャー施設が多いですし、市の施設も充実しているので助かります。我が家は、雨の日に限らず『ゆうあいひろば』をよく利用していて、すっかり常連です(笑)」

子連れで楽しめる施設が充実している一方で、公園で虫をつかまえたり、たけのこ掘りやいちご狩りなどを気軽に楽しんだりと、四季を感じながら子どもを育てられるのは、都会でありながら自然が身近な宇都宮市ならでは。

「自然の豊かさは、食生活でも実感しています。農業がさかんで、安心な野菜を安く手に入れやすいんです。とれたての野菜が並んでいる無人販売所もよく見かけます。我が家がよく利用する『農産物直売所』では、県内の農家さんから直接届く新鮮な野菜や果物がたくさんあって、選ぶのも楽しみです」

市運営の「ゆうあいひろば」(子どもたちのあそび広場)。大型遊具で遊べるほか、絵本の読み聞かせや工作教室なども開催されています。

“孤育て”から“Co-SODATE”へ
得意を生かしたボランティア活動

伊藤さんがボランティアで活動する「WAKUWAKUのタネ」の運営メンバー。

伊藤さんは“ワーママ”(ワーキング・マザー)として忙しい毎日を送る一方で、宇都宮市で「WAKUWAKUのタネ」というボランティア活動にも取り組んでいます。長男出産後の育休中に参加したキャリアセミナーで出会った、理系のワーママたちと立ち上げた活動で、科学実験教室を開催するなど、“親子でワクワクできる場所”を科学目線で企画・提供しています。

「『ワクワク実験教室』は、2021年7月に第1回を開催してから、これまで10回以上開催し、のべ100組以上の親子にご参加いただきました。活動は、『WAKUメイト』という、それぞれの得意をもち寄って活躍してくれるメンバーやお手伝いしてくださる大学生の皆さんに支えられています。自分の得意な分野で協力いただくことで、『みんなで一緒に場をつくり上げる楽しさや達成感を親子で味わえた』、『自分の子どもにも、父親とはまた別の姿を見せることができるのも、子どもの成長のためになるとよいなと感じている』という声をもらっており、親の居場所づくりにもつながっていると感じています」

「WAKUWAKUのタネ」が目指すのは“Co-SODATE”。「子育て」の「子」を、「ともに」を意味する「Co」で表しているように、地域で暮らす人たちと一緒に、みんなで支え合って子どもを育てたいと考えています。

「子育て中はなにかと孤独を感じやすいものですし、頼れる身内が近くにいなければなおさらです。そうした親だけで育てる“孤育て”ではなく、みんなで一緒に子どもを育てる“Co-SODATE”を通して、それぞれが得意なことを生かし、協力し合って子育てできる社会、さらにはその支え合いが循環していく社会になることを願っています。私自身、“Co-SODATE”のおかげで、穏やかな気持ちで子どもの成長を見守ることができていますし、母親としてだけでなく、ひとりの人間として地域社会での居場所を感じられるようになりました」

WAKUWAKUのタネ」の科学実験教室で講師を務める伊藤さん(左)。

そう語る伊藤さんですが、“Co-SODATE”にたどりつくまでには、いろいろな困難がありました。どんな壁をどのように乗り越えてきたのか――

vol.2に続きます。