移住して知った。都内では感じることのなかった,地域の心地よいぬくもり。
コロナ禍を機に東京都から宇都宮市へとご家族で移住した文学YouTuberベルさん。YouTuberとして,母親として活躍するベルさんにお話をうかがいました。
移住を考え始めたきっかけは?
コロナ禍の緊急事態宣言が出る中で,生まれたばかりの子どもを都内で育てることに少し息苦しさを感じるようになりました。もともと,私は在宅で仕事をしていて,夫もテレワークが可能となり,都内に住む理由が希薄になり,これからの子育てのことも踏まえて,もう少し快適な住環境が手に入る場所に引っ越そうと考えるようになりました。
他の候補地はありましたか?宇都宮市に移住を決めた理由は?
最初は,東京都に行きやすいということで神奈川,千葉,埼玉の3県を候補にしていました。でも,都内での暮らしと比較しても生活コストが下がる感じがありませんでした。であれば,子どもたちが伸び伸びと過ごせて,生活コストも抑えられる場所にと考えを切り替え,その結果,候補先に宇都宮市が挙がりました。
他にも複数の地域が候補として挙がったのですが,災害リスクなども考慮すると,宇都宮市はそういった面でも強いと感じました。あとは東京に行こうと思えばすぐ行けるという距離感も好材料でした。
移住を検討する際,どのように情報収集しましたか?
まずはYouTubeなどで宇都宮に住んでいる人や,移住したという人の情報などを見ました。同時に,移住支援のサポートや補助金などがあるのか気になり,そういうワードで検索をかけて調べたところ,夫が「宇都宮市移住支援金」の対象であることが分かったのも移住をする際の後押しになりました。
宇都宮での暮らしはどうですか?
想像以上に快適に過ごせています。もとは,「ちょっと東京での生活は厳しいな」という,少し逃げの姿勢での移住でしたが,宇都宮市での暮らしがすごく肌に合っている感覚があります。
子育てという面では,広い公園が多くあるので遊ばせる場所に困ることもなく,また人の面でもどこか余裕があるなと感じています。私は車を持っていないのでバスなど公共交通を使うことが多いのですが,乗降時にベビーカーの積み下ろしを手伝ってくださる方がいたり,子どもがぐずってしまった時にあやしてくださる方がいてくれたり。東京にいた時は,子育てしていることを申し訳なく感じてしまうことがありましたが,宇都宮に来てからはそう感じることがありません。
また,東京では隣近所に同世代の人が住んでいてもほとんど交流がなく,公園に行っても会釈するぐらいの関係しかありませんでした。宇都宮では近所付き合いがあって,本当に困ったら子どもを預け合ったりできますし,近くの学校や病院の情報が口コミで入ってきたりします。生活していて,見守り合っている安心感があります。何かあった時には頼れるけど,適度な距離感は保ってくれる。近すぎず,でも離れすぎずっていうのが,すごく丁度いいなと思っています。
宇都宮の暮らしで不便を感じることは?
そうですね。今は自転車での移動が可能ですが,これから子どもが小学校に入学するなど,ライフスタイルが変わった時には車が必要になるのかなとは思っています。
宇都宮市は公共交通が充実し,都市全体がコンパクトにまとまっているため,基本的には自転車やバスなどでの移動で事足りますが,郊外部などへの移動はやはり車があると便利だろうなと感じることもあります。
ママ友と一緒に子どもの遊び場に行こうとすると,公共交通ではどうしても行きづらい場所もあり,ママ友の車に乗せてもらうことになり,わざわざ迎えに来てもらうのも申し訳ないと感じてしまいます。そういった部分で,公共交通と車の使い分けみたいなのは必要なのかもと感じています。
宇都宮の中で,お気に入りのエリアやスポットは?
中央公園や栃木県立博物館があるエリアは,文教エリアで子どもや学生がとても多く,見ているだけでも活気があってすごく好きですね。もともと,美術館や博物館を巡るのが好きで,東京にいる時は新しい展示が始まれば行っていましたが,人が多くて落ち着いて作品を見られない印象でした。でも,宇都宮はゆったり見ることができますし,子どもを連れて行っても大丈夫な雰囲気なのがうれしいです。
宇都宮で新たに取り組んでいることは?
移住前から一緒に仕事をしている友人の紹介で宇都宮短期大学附属(宇短附)中・高等学校とつながり,さらに,学校職員棟の改修に合わせ,図書スペースの設置を検討しているタイミングだったなど,様々な偶然が積み重なり,宇短附の図書スペース(ビブリオステージ)のプロデュースをさせていただくことになりました。また,学校側の読書教育に力を入れようという新しい試みと,私の活動が合致して,プロデュース後もビブリオスタジオの管理人的な立ち位置と,4月に発足した読書部の顧問として週2ぐらいで宇短附に通っています。
ビブリオステージのコンセプトは?
本ってそれ自体が主役であり,面白いものだと思いますが,それを読んで感じる自分の気持ちや感覚というものこそ尊ぶべきものではないか,というのが私の想いの中にあります。だからこそ,「あなたの感性が主役なんだよ」というのを,見た目として表現したいというのがコンセプトの一つにありました。
そこから,自分の感性を持って,それを表現して,誰かと交流するというところまで見越した場所にしたいと思ってプロデュースしました。名前が「ビブリオステージ」というのですが,ちょっと舞台調になっています。長椅子のソファがあり,後ろにニッチがあって,くり抜かれた部分に本が面で飾れる。絵本世界のようなアーチ状の木の枠がある舞台のようにしました。
今後,チャレンジしてみたいことは?
今は子育てをしていて,いろいろな人に支えてもらっている側ですが,自分の手が空いてきたタイミングで社会貢献的なことをして恩返しできればと思っています。私が強みとしているのが広報やPR,人前に出ること,あとは読書というところなので,そこを掛け合わせて盛り上げられるようなことができればなと思っています。
これから移住を考えている方にメッセージを!
私たちの場合は1回移り住んでみて,ダメだったら戻ってくればいいやくらいの軽い気持ちでの移住だったので,特殊なパターンで参考にならないかもしれません。でも,今は,私が検討していた頃よりも,いろいろな支援やサポートがより整っていると思うんです。
今いる環境で,何か窮屈になっているとか,制約されている感じがする。それが,もしかしたら場所が変われば変わるかも…みたいな期待があるのであれば,一度その場所に足を運んでみたり,そこにあるサービスなどを活用し倒してみるっていうのはアリじゃないかと思います。また,そういった行動は早ければ早いほどいいんじゃないかなと。
これからのライフプランを考えて,ここにずっと住むのは無理だろうなと思った場合は思い切って飛び出してみると,良いことがあるかもしれませんよ!





